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2025.01.27 議会運営

第96回 一事不再議の原則とその取扱い/一般質問における除斥

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一般質問における除斥

Q議員が代表取締役を務める法人と議員が所属する地方公共団体との間でなされる請負契約が本定例会で審議されているが、当該議員が一般質問で当該請負契約について質問することは可能か。

A

地方自治法117条に規定されている除斥の制度は、議員の立場の中立・公平性に鑑み、議員及び配偶者並びに2親等の血族の一身上に関する事件又は直接的な利害関係のある事件に関しては、公正な判断を下し難いことから、議員を当該議案の審議に参与させないことをいう。

【地方自治法117条】
 普通地方公共団体の議会の議長及び議員は、自己若しくは父母、祖父母、配偶者、子、孫若しくは兄弟姉妹の一身上に関する事件又は自己若しくはこれらの者の従事する業務に直接の利害関係のある事件については、その議事に参与することができない。但し、議会の同意があつたときは、会議に出席し、発言することができる。

 地方公共団体における請負の当事者が当該地方公共団体の議員であった場合、地方公共団体の事務に該当することから、議案の質疑に関することであっても一般質問を行うことは、標準市議会会議規則62条1項・標準町村議会会議規則61条1項に「議員は、市(町村)の一般事務について、議長の許可を得て質問することができる」と規定されていることから可能である。

【標準市議会会議規則62条】
① 議員は、市の一般事務について、議長の許可を得て質問することができる。

 ここで、請負の当事者である議員が、執行機関に対して当該請負について質問することは、地方自治法117条における除斥により行うことはできないものと解される。確かに、一般質問自体は、その意義からして、議会の意思決定を伴わないので、除斥の必要はないとする見解があるが、一般質問では除斥とならないことから当該議員であっても一般質問できるとなると、請負の議案の質疑において当該議員は従事する業務に直接の利害関係のある事件に該当し、当該審議においては除斥となることと、議事運営上、差異が生じてしまい、不適当であるといえる。それゆえ、請負当事者である議員は当該請負契約について質問をすることはできないものと解する。

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