2024.11.25 政策研究
第16回 政策の困難性とそれを超克するもの
総合計画の有用性を考える、バイアスを超克する方策について考える
自治体政府政策の「時限付き最高規範」としての総合計画は、その有用性を認識し活用することが大切です。有用性は、総合計画が自治体の有機的かつ重層的な政策集であることから明白です。ただし、自治体の政策〈集〉である総合計画に関わる主体(=市民、議員、首長、職員)には、前述したようなバイアスが様々に絡み合っており、そのバイアスを超克することが求められます。
「議会・議員ができるバイアスによる影響を減らすための方策(=熟慮法)」には、表2のようなものがあります(もちろん、この中には市民や行政ができるバイアスによる影響を減らすための方策も含まれています)。
出典:筆者作成
表2 議会・議員ができるバイアスによる影響を減らすための方策(=熟慮法)(例)
政策を考える自治体議員に求められる資質
では、政策を考える自治体議員には、どのような資質が求められるのでしょうか。田村明の「首長の資質」を参考にして、「自治体議員に求められる資質」として整理したものが表3です。市民は、議会・議員そして議会・議員が生み出した政策に期待しています。
出典:①~⑦は田村(2000:137-138)を引用、⑧~⑳は筆者による追加
表3 自治体議員に求められる資質(例)