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2024.11.25 政策研究

第16回 政策の困難性とそれを超克するもの

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元・大和大学政治経済学部教授 田中富雄

 本稿では、「政策の困難性とそれを超克するもの」と、これらに関する事項について再考します。そして、その上で政策過程において、これらの言葉を発するときの「自治体議員の発言に期待される含意と政策」について考えたいと思います。

現代社会の状況

 今日、国の内外において問題が山積しています。災害問題(自然災害(地震、津波、風水害)・人的災害(火災、事故〈航空事故・船舶事故・鉄道事故・自動車事故・原子力発電所事故〉))、感染症問題(新型コロナウイルス、結核)、環境問題(地球温暖化、海洋汚染、土壌汚染)、施設や組織の劣化問題(公共施設の劣化、政党及び組合等の劣化)、エネルギー・食糧問題(地球資源の限界、国内資源の限界)、不平等・マイノリティ問題(人種、民族、性別、歴史経緯)、紛争問題などです。これらの問題は複合化して起きることもあり、そのような場合は、影響がより大きくなります。
 また、これら今日の社会問題に深く関連するのは、無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)や、無関心によって生まれる無学習による人の劣化です。私たちには、意識的に偏見をなくし、意識的に学習することで、問題を超克することが求められます。
 なお、問題のうち、災害や感染症などの緊急事態に対応するため事業継続計画(Business Continuity Planning)を策定(見直し)しておくことが必要になります。

政策の歴史性と未来志向

 田村明は『都市ヨコハマ物語』の中で「都市における歴史性の役割」について述べていますが(田村 1989:341、345-346)、その内容をヒントに政策を考えると、次段に述べるように、「政策の歴史性と未来志向」が浮かび上がってきます。
 政策は、多くの人々の理想や思想、期待や欲望による多様な営みが長い年月をかけて集積されて形成されていきます。そこには、突発的に生ずる災害や社会変動などが大きな影響を与えることもあります。それらがすべて時間の中で絡み合い、合成された結果の集大成として、現時点での政策の姿として表出しています。そうであるならば、豊かな未来をつくれるか否かは、過去の人々に培われた精神と実践の中で会得されてきたシクミや手法を、未来へ向けてどう生かせるかにかかっています。政策は過去のためにあるのではなく、未来をつくるためにあるといえます。
 しかしながら、政策には困難性が伴います。次節からは、政策の困難性について考えましょう。

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