2024.11.11 議員活動
自治体法務検定演習問題を解いてみよう(その75)
正解及び解説
■基本法務
〔正解〕①
〔解説〕この問題は、民法の不法行為分野からの出題である。加害者に責任能力がない場合は、当該加害者についての不法行為責任は成立しないが(民法712条、713条)、責任無能力者の監督者は、監督を怠った場合に、当該責任無能力者の行為について責任を負う(民法714条1 項)。したがって、責任無能力者の監督者は無過失責任ではないので、①は妥当でない。土地工作物の設置又は保存に瑕疵があったときは、占有者又は所有者が責任を負う(民法717条1 項)ので、②は妥当である。被害者が死亡したときは、被害者の子、親、配偶者は慰謝料請求をすることができる(民法711条)ので、③は妥当である。不法行為の効果は、原則として金銭賠償であり(民法722条1項・417条)、名誉毀損の場合には例外として名誉回復のために適当な処分(原状回復)が認められる(民法723条)。したがって、④は妥当である。よって、正解は①である。(基本法務テキスト371~375頁)
■政策法務
〔正解〕②
〔解説〕〕①は妥当でない。地方自治法2 条5 項は、「都道府県は、市町村を包括する広域の地方公共団体として……」と規定する。②は妥当である。選択肢に記載の通りである。③は妥当でない。地方自治法は、普通地方公共団体として都道府県と市町村を挙げているが、憲法において地方公共団体が具体的に何を意味するのかは明らかでない。④は妥当でない。都道府県の廃止は、「地方自治の本旨」に反する可能性が発生する。(政策法務テキスト210~212頁)