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2024.10.10 議員活動

自治体法務検定演習問題を解いてみよう(その74)

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正解及び解説

■基本法務
〔正解〕
〔解説〕この問題は、刑法分野からの出題である。外務省機密漏洩事件判決(最決昭53・5・31刑集32巻3号457頁)は、報道機関記者が外務省職員をそそのかして国家機密を漏洩させた事件に関するもので、記者の行為が業務として正当であるかどうかが争われ、国民の知る権利から報道の自由、取材活動の自由を論じた上で、目的の正当性と手段・方法の相当性によって違法性判断を導いたものである。国家の刑事責任や責任能力や、期待可能性について論じているものではない。したがって①、③、④は妥当でなく、②が妥当である。(基本法務テキスト403,419頁)


■政策法務
〔正解〕
〔解説〕〕①は妥当でない。行政訴訟では弁論主義、すなわち、裁判の基礎となる資料の収集を当事者の権能かつ責任とすることを基本としている。②は妥当である。行政処分の適法性の有無は公益とかかわるため、客観的な真実の究明が期待される点、また、行政主体と私人間の立証能力には大きな差異がある点から、行政訴訟については職権証拠調べが認められている。③は妥当である。釈明処分の特則は、取消訴訟における訴訟関係を明瞭にするため、処分庁に対して処分の内容、根拠規定、処分の理由を明らかにする資料等であって、当該行政庁が保有するものの全部又は一部の提出を求めること等である。④は妥当である。取消訴訟における立証責任の所在についての一致した見解はなく、法律要件分類説(法律効果が自己に有利に働く当事者が当該効果を基礎付ける要件事実について立証責任を負うという見解)のほか、調査義務反映説(処分の適法性を裏付ける事実については基本的に被告が立証責任を負うという見解)、個別具体的判断説(当事者間の公平、証拠との距離、立証の難易等を具体的に検討すべきという見解)などが主張されている。(政策法務テキスト185~186頁)

 

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