2024.07.25 議会改革
【セミナーレポート】全国地方議会サミット2024「非常事態への備え これからの議会」
「防災DXの最前線と今後の展開」
臼田裕一郎氏(防災DX官民共創協議会 理事長)からは、デジタルの観点より「ISUT」としての能登半島地震応急対応の活動や防災DXのこれからの展開について報告がありました。避難所・避難者の情報の把握や訪問アセスメントのオンライン化、被災者データベースの活用事例といったデジタル技術を用いた具体的な支援活動を解説し、防災DXには事前(平時)の準備が不可欠であることを伝えました。
「災害時におけるドローン・人工衛星など最新テクノロジー活用の可能性」
円城寺雄介氏(佐賀県庁・JAXA ・総務省地域情報化アドバイザー)からは、ドローンや人工衛星を活用した災害対応の考察について講演がありました。災害時におけるドローンの活用研究や普及について振り返りつつ、宇宙技術を使った災害対策として、人工衛星を活用し人の立ち入れない場所の土砂崩れや豪雨浸水状況の把握、地震による建物被害の推定といった、災害の予兆を見つける使い方の可能性を解説しました。
「東日本大震災の経験から」
最後に、片山善博氏(元総務大臣)より、東日本大震災の経験を通して気付いた問題から今後の災害対策や原子力災害などにどう活かしていくのか講演が行われました。片山氏は当時の経験よりいくつか本当に大切なことがあると語り、その中から「リーダーのあり方・専門的知見を持った人材」をあげました。過酷な事故が起きたとき的確に対応できる専門的な知見を持った人(幹部職員)が任命されているか、またリーダーとしてどういう振る舞いをすべきか、その重要性と教訓を語りました。他にも防災訓練といった「平素の準備」の重要性や「行政機関の縦割りの狭間の対応」について当時の様子を振り返りつつ、検証と教訓の重要性を再確認しました。