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2024.04.25 政策研究

第9回 民主主義と議会④─結社、複数性、人権、応答性、マニフェスト、レジリエンス

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「党派(政党)」二つの条件、マニフェストの限界と可能性

 さて宇野は、エドモンド・バーグ(1729-1797年:イギリスの政治思想家・哲学者・政治家)が「党派(政党)」は二つ条件がそろっていれば「むしろあっていいものだ」と考えていること、二つの条件とは、一つは党派構成者に「実現すべき共通の政治的な主張がある」こと、もう一つは単に主張するだけでなく「いざとなったら自分たちが政権を担う準備がある」ことであるとしています。そして、この二つの条件を満たしているのであれば、それを党派(政党)と呼び、単なる寄り合いや派閥とは別格のものとして評価してもよいと考えていたことを紹介しています(宇野=若林 2023:220-221)。
 しかし若林がいうように、政治家や政党はマニフェスト(政策集)を提示しますが、そこには限界があります。なぜなら、有権者からすると、おそらくどんな政治家や政党に対しても、賛成する点と反対する点があるからです。したがって、1票を一人の政治家、あるいは一つの政党に託すことには無理があります(宇野=若林 2023:234)。そこには、「政策の複数性」(図3参照)という政策の持つ特性も影響しています。けれども私たち(市民・議員)には、「マニフェストの限界」を踏まえつつも、有権者(市民)と議会・会派(政党)・議員の間の「政策」契約であるマニフェストの可能性に期待することが必要なのかもしれません。
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図3 政策マニフェストの限界と可能性(政党活動・政治活動の難しさを踏まえて)

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