2024.03.11 まちづくり・地域づくり
第4回 パネルディスカッション 住民自治を実現するシビックプライドの可能性(前編)
シビックプライド政策の課題
牧瀬 シビックプライド政策を進める上での悩みについて教えていただきたいと思います。両市からシビックプライドを政策として推進する上での悩みや課題についてお聞かせいただき、その後、水本さんからコメントをいただきたいと思います。
大谷 課題があるということが必ずしもデメリットというわけではありません。私たちは課題と認識しているかもしれないけれど、実は課題ではないかもしれない。また、行政が課題を提示すると、「そういうことがあるのだったら私ができるよ」といってくれる市民も多くいます。
行政が課題だと思ったときに、勇気を出して「これが課題です」と伝えることにより、この指とまれのように、市民が集まってきて、新たな解決方法が提示されるということがあります。だから、課題とチャンスは表裏一体のようなところがあります。課題それ自体を面白がればよいと考えています。
また、興味や関心は人それぞれだと思います。やはり面白くなくては、人は関わってくれないと思います。課題解決に取り組んで非常に充実感があるなど、いわゆる感情収入が充実していると、課題解決のネットワークが広がっていきます。課題解決の面白さを発見していけるような、心の柔軟さを関係者と一緒に開拓していく。そういうトライ・アンド・エラーを繰り返しながらやっていくことが課題解決に結びつくのではないかと思っています。
本村 相模原市には約72万の市民がいます。誰一人取り残さず、プッシュ型で情報を発信していきたいと思っています。ところが、やはり情報を受け取れない市民がいます。
本市はイメージ調査を年に1回実施していますが、愛着を持っている人が75%、誇りを持っている人が52%となっています。3区により差があり、市民が各区の特色や市のよさを理解していないようにも思うので、もっと発信しなくてはいけないと思っています。
情報発信に関していえば、職員の頑張りにより、この4年間で相模原市の露出度が高まりました。そのことにより、市民が「私たちが住んでいる相模原って、意外と頑張っているんだね」と理解してくれるようになっています。これからも、いろいろなメディアを活用し、私たちからプッシュ型で市民に相模原の動向をしっかり発信していくということが大事なことと考えています。これからも72万市民誰一人取り残さない発信力を持ってやっていきたいと思います。
(後編へ続く)