2024.01.25 政策研究
第6回 民主主義と議会①─民主主義の目的、習熟、限界、現実
民主主義の「限界(=デメリット=不十分な点)」と「可能性」を生み出すもの
ここでは、民主主義の限界と可能性について考えてみたいと思いますが、その前に民主主義のメリット・デメリットを整理しておきましょう(表5参照)。
表5 民主主義のメリット・デメリット(=不十分な点)〈例〉
このように民主主義には、メリットだけではなく、不十分な点も少なくありません。民主主義を進めるためには、不十分な点を改善し、できうれば早急に解消することが求められます。
では、民主主義のデメリット(=不十分な点=限界)を超克し、「民主主義の可能性」が高まるには、「どこに」「どのような」改善が必要なのでしょうか。そのことを考えるには、民主主義社会の特性を踏まえることが求められます。それは、主権者の求める政治家・会派(政党)・政策が、「正しい選挙」により変わるということです。政権交代がなければ為政者や周辺の人々による既得権益政治の「名ばかりの民主主義」になってしまうし、政権交代があっても為政者や周辺の人々による既得権益政治の「軍事政権(主義)」となってしまいます。すなわち、民主主義社会の特長である「主権者の求める政治家・会派(政党)・政策が、正しい選挙により変わること」で、民主主義の可能性が生み出されます(高まります)。