2024.01.12 議員活動
自治体法務検定演習問題を解いてみよう(その65)
正解及び解説
■基本法務
〔正解〕②
〔解説〕この問題は、民法の不法行為分野からの出題である。加害者に責任能力がなければ不法行為責任は成立しないため(民法712条・713条)、①は妥当でない。他人の不法行為に対して、自己又は第三者の権利を防衛するためにやむを得ず加害行為をした場合には、正当防衛として当該加害について損害賠償責任を負わない(民法720条1 項本文)ため、②は妥当である。他人の物から生じた急迫の危難を避けるため、その物を損傷した場合、緊急避難として当該損傷行為について損害賠償責任を負わない(民法720条2 項)のであり、当該危難が急迫している状況が必要であるから、③は妥当でない。不法行為の効果は、名誉毀損の場合に限り原状回復が認められており(民法723条)、原則は金銭賠償であるから(民法722条1 項・417条)、④は妥当でない。よって、正解は②である。(基本法務テキスト370~371,374頁)
■政策法務
〔正解〕④
〔解説〕①は妥当である。選択肢に記載の通りである。②は妥当である。地方自治法180条の5第5項は、「普通地方公共団体の委員会の委員又は委員は、法律に特別の定があるものを除く外、非常勤とする」と規定している。③は妥当である。地方自治法138条の4 第2 項は、「普通地方公共団体の委員会は、法律の定めるところにより、法令又は普通地方公共団体の条例若しくは規則に違反しない限りにおいて、その権限に属する事務に関し、規則その他の規程を定めることができる」と規定している。④は妥当でない。委員会は過料を課すことはできない(地方自治法180条の6第3号)。(政策法務テキスト226~228頁)