地方自治と議会の今をつかむ、明日につながる

議員NAVI:議員のためのウェブマガジン

『議員NAVI』とは?

検索

2023.12.25 政策研究

第45回 固有性(その2):地理

LINEで送る

地理の中身

 地理は、高校の授業科目や大学入試科目にもあるように、比較的なじみのある中身である。もっとも、高校の科目では、旧社会科(地理歴史)であって、理科ではないため、文科系の知識と受け取られている。しかし、大学では必ずしも地理学科が文系又は人文社会系とは考えられておらず、理系・理学部などに置かれていることも多い。受験情報企業によれば(2)、「地理学は、土地・水・気候などの自然と人間生活との関係を明らかにしていく学問です。人文地理(人口・集落・経済・政治・民族など)、自然地理(地図・気候・地形・海洋など)、地誌(地域ごとの自然・文化・産業など)の三つが主な研究分野です。地球科学などの自然科学とも、深いかかわりを持っています。なお、理学系統の地球科学は自然現象そのものを対象とする学問なので、地理学と混同しないよう注意が必要です」とある。いわゆる人文地理だけではなく、自然地理をも含んでいるので、文理融合的であるといえる(3)
 なお、高校段階では、理科系科目としては地学(地球科学)が存在するが、これは、地球に関する学問であり、地圏・水圏・気圏・生命圏の4要素に分けられる。具体的には、地質・鉱物・岩石・地震・火山・気象・海洋・天体などを扱う。地理学と地球科学の差違は小さくない。このため、自治体を説明するには、地学はあまりに視点が大きすぎるようである。
 もっとも、ジオパークのように、地球科学的な意義が、自治体や地域社会・住民と無関係というわけではない。日本ジオパークネットワークによれば(4)、ジオパークとは、地球科学的意義のあるサイトや景観が保護、教育、持続可能な開発のすべてを含んだ総合的な考え方によって管理された、一つにまとまったエリアである。そして、ジオパークでは、地球資源を持続的に利用したり、気候変動の影響を緩和したり、自然災害の影響を軽減するといった、社会が直面している重要課題への意識と理解を高めるため、その地域のあらゆる自然・文化遺産と関連した地質遺産を活用する。ジオパークは、歴史と現代社会における地域の地質遺産の重要性について意識を高めることで、地域住民が自分たちの地域に誇りを持ち、地域と住民の一体感を強化する。地域の地質資源を保護しながら、ジオツーリズムを通じて新たな収入源を生み出し、革新的な地元企業や新しい雇用、質の高い研修の機会を創出する、ということである。
 現在日本には、日本ジオパーク委員会が認定した「日本ジオパーク」が46地域ある。うち、10地域がユネスコ世界ジオパークにも認定されている。その関係で、ジオパークは自治体間連絡協議会(連載第31回「多数性(その5)」(2022年10月27日号))を結成する共通事項になってもいる(参照:日本ジオパークネットワーク 構成市町村数(2023/5/25現在))。

この記事の著者

編集 者

今日は何の日?

2025年 425

衆議院選挙で社会党第一党となる(昭和22年)

式辞あいさつに役立つ 出来事カレンダーはログイン後

議員NAVIお申込み

コンデス案内ページ

Q&Aでわかる 公職選挙法との付き合い方 好評発売中!

〔第3次改訂版〕地方選挙実践マニュアル 好評発売中!

自治体議員活動総覧

全国地方自治体リンク47

ページTOPへ戻る