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2023.11.27 議会改革

【セミナーレポート】地方議会活性化シンポジウム2023「将来の地方議会を担うのは誰か?-多様な人材が参画する地方議会の実現-」

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事例紹介

 次に、「多様な人材が参画する地方議会の実現に向けた取組」と題してパネルディスカッションが行われました。
只野雅人氏(一橋大学大学院法学研究科教授)をコーディネーターに迎え、パネリストとして鵜川和彦氏(北海道栗山町議会議長)、狩野浩志氏(群馬県議会議員)、菅沼芳德氏(静岡県御殿場市議会議長)、益子純恵氏(栃木県那珂川町議会議長)の4名がそれぞれのテーマに沿った事例を紹介し、各事例について辻陽氏(近畿大学法学部教授)からコメントをいただきました。
 まず、鵜川氏からは、議員なり手対策事業として取組んだ「議員の学校」について報告がありました。栗山町議会では、平成27年・31年の2度にわたり町議会議員選挙がなかったことを発端に、議員の後継者育成として議会や議員に関心や志のある町民等を発掘、育成することを目的とした"議員の学校"に取り組んでおり、町内の受講者11人のうち、3人が立候補し当選するという12年ぶりの選挙を行う結果となったと報告がありました。選挙には後援会長がいて、講演会をして、というような規制概念のような考えを持った人が多かったが、今回の選挙はその概念を打破する機会となった、と話されました。
 続いて狩野氏からは、「群馬県議会における若者の政治への関心を高める取組」について報告がありました。群馬県議会では、公職選挙法の改正により選挙年齢が引き下げられたことを契機に、若者に政治や議会への関心を高めてもらうことを目的に取り組んだ3点の事例が紹介されました。学校への訪問、クイズ形式の解説や意見交換など、様々な方法で大学生や高校生に関心を持ってもらうと同時に、高校生との意見交換を踏まえ、一般質問に取り上げる議員も複数出ている例もあったと報告がありました。
 菅沼氏からは、市民に関心をもってもらうため開かれた議会を目指すことで議員のなり手不足を解消する「未来議会プロジェクト」という取組について紹介がありました。明治大学とのパートナーシップ協定を結び、議員と市民を対象とした講演会の実施、高校生や大学生との意見交換、立候補することに躊躇している方を対象とした議会や選挙の説明や議員との意見交換を行う御殿場市議会政治塾といった事業の実施など、主権者と同じ目線に立った取組について説明がありました。来年には改選を控えているが、改選後も積極的な情報発信・情報収集を引き続き行い未来議会プロジェクトをさらに発展させていかなければならない、と話されました。
 益子氏からは、議員になるまでのエピソードや議員活動についての経験、また女性議員の進出を阻害しているのは何かということについてお話がありました。ご自身のこれまでの経験を振り返りつつ、女性が議員になるためには、家事や育児との両立、家族の理解、最初の一歩が踏み出せないといった1人では解決できない課題があることを解説し、挑戦しやすい環境を作ることが必要であることを再確認されました。一般の方は議員のなり手不足などの地方議会の課題をどうとらえているのか、議会のあり方を議論していく中で問題を投げかける側も場面に応じて角度を変えながら問題提起をする必要があるのではないか、と締めくくりました。
 最後に、辻氏から前半の事例の内容を踏まえて、各パネリストへの質問やコメントをいただき、閉会となりました。

 

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