2023.11.27 議会改革
【セミナーレポート】地方議会活性化シンポジウム2023「将来の地方議会を担うのは誰か?-多様な人材が参画する地方議会の実現-」
2023年11月13日(月)、総務省主催の「地方議会活性化シンポジウム2023」が開催されました。「将来の地方議会を担うのは誰か?-多様な人材が参画する地方議会の実現-」をテーマに、基調講演およびパネルディスカッションが行われました。その様子をレポートします。
将来の地方議会を担うのは誰か?
冒頭では「将来の地方議会を担うのは誰か?ー多様な人材が参画する地方議会の実現ー」と題して、谷口尚子氏(慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授)による基調講演が行われました。
谷口氏は、投票率・競争性・代表性の低さや、議員のなり手不足といった課題について振り返りつつ、現在の議会・議員には「多様性」「応答性」を高める必要があることを説明しました。また、地方議会の多様性を増やす方策として、5つの観点別(住民の理解や関心を増やす、地方議員職に関心があるのは?、立候補のハードルを下げる、議会の活動のあり方を変える、制度や仕組みの改革、議会・議員の意識改革)に具体例を紹介しつつ、改革を求めるということは、新しいなり手を迎え入れることや選挙の競争性が増すといったライバルを増やすことであり、個別利益と集団利益のジレンマがあることを解説しました。地方議会の存在意義が小さくなることは共通の損失であることを再確認しつつ、個別利益とその地域全体の集合利益がセットとなるような取組を横展開・共有していくことが重要であると締めくくりました。