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2023.03.10 政策研究

第15回 政策(議会基本条例)と議会・議員(下)

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議事機関(議会)の政策活動は多様

 日本国憲法93条は、1項で「……法律の定めるところにより、その議事機関として議会を設置する」、2項で「……議会の議員……は、……住民が、直接これを選挙する」と規定する。ここでは1項を取り上げるが、1項は議会の議事は、議会が議事機関であることから、(議会の構成員である)議員には、合議することが求められていることを示している。ただし、合議する「前段」、合議の「最中」、合議の「後」に、どのような行為をするかについては規定されていない。地方自治法にも規定がない。ということは、議会の合議の「前段」、「最中」、「後」に、当該自治体の政治主体(市民)、制度主体(議会・行政)、政策主体(市民・議会・行政等)である関係者が、何らかの行為をなすことが可能と考えうる。そして、議会改革の動きはそのような考えに沿って進んでいる。既存の議会基本条例においても、その具体的な内容(市民と議会の関係、議員間関係、議会と行政の関係)が規定され、実践されている。
 また、渡辺三省は、自治体議会には立法(条例)だけでなく、多元的で多様な政策活動が求められるという(表2参照)(渡辺 2018b:1-2)。渡辺のいう多様な政策活動とは、田中が前段で述べた、合議の「前段」、合議の「最中」、合議の「後」になす行為である。
 なお、渡辺によれば、議会事務局は、ありとあらゆる情報収集に向けて、常にアンテナを張り続けることが⼤切な役割であるとする。個々の議員の間では、情報の収集格差が出てくるはずであり、合議制機関としての議会全体に伝わるよう情報提供を⾏わなければならない。この中には、他の⾃治体議会の情報も含まれる。先進的な議会に学び、あるいは、切磋琢磨(せっさたくま)して、議会間のレベルアップを図ることが必要である。そのためにも議会事務局としての役割が重要になるとの認識を示している(渡辺 2018b:2)。このように考えると、議会事務局の活動にも、議会(議員)が合議する「前段」、合議の「最中」、合議の「後」になす行為があるといえよう。
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出典:渡辺三省「議会事務局職員のための議会改革の道しるべ 第2回 自治体議会の政策活動は多様であり多元的である~そのために議会事務局がなすべきこと~」議員NAVI 2018年8月10日号
表2 議会・議員としての政策活動一覧

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