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2023.03.10 議会運営

第88回 任期満了直前に提出された請願の取扱い

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【市会議規則141条】
① 議長は、請願文書表の配布とともに、請願を、所管の常任委員会又は議会運営委員会に付託する。

 このような場合には、とりうる措置は二つ考えられる。一つは、法109条8項に基づき、請願を請願文書表の配布とともに所管の委員会に付託し、付託後に付託された委員会からの申出又は本会議における動議によって議会の議決により閉会中の継続審査とするやり方である。

【法109条】
⑧ 委員会は、議会の議決により付議された特定の事件については、閉会中も、なお、これを審査することができる。

 この方法を用いた場合、定例会開会中に議会として当該請願に対して意思を表示しないこととなり、引き続き閉会中も付託委員会が審査することとなるが、現実問題として、定例会終了後から任期満了までの間に請願の審議のために臨時会を招集して審議を行うことは不可能に等しい。それゆえ、多くの場合、議員の任期満了とともに委員会に付託され継続審査となっていた請願は審査未了廃案となり、議会の意思が示されないこととなる。閉会中の継続審査を行うに当たり、審査終了までと議決していても、議会の同一性の観点から継続審査の効力は最大で任期満了までとなるからである。  
 二つ目は、請願を付託しないこととする取扱いである。これは、請願は請願文書表の配布とともに議題に供されたものとみなされるが、議長が請願文書表に掲載せず、配布しなければ、所管の委員会に付託したこととならないため、議員の任期満了によっても当該請願は消滅せず、次の議会において議長が所管の委員会に付託できるとする考えである。この場合であれば、任期満了直前に提出された請願といえども、次の新しい議会の構成の下で審議することができる。住民の要望・意見である請願の審議権を十分に確保した取扱いであるといえる。  
 このような二つの取扱いがあるが、それぞれの任期満了前における議会の状況と請願の内容に応じて使い分けるのがよいといえる。

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