2023.02.10 議員活動
自治体法務検定演習問題を解いてみよう(その54)
正解及び解説
■基本法務
〔正解〕①
〔解説〕この問題は、民法の事務管理・不当利得分野からの出題である。事務管理の要件として、法律上の義務がないことが必要である(民法697条1項)ので、管理を開始する法的義務がある場合、事務管理は成立しない。よって、①は妥当である。明文はないが、事務管理の要件として、本人の意思や利益に反しないことが必要であるため、本人の意思に反した場合や本人の利益に反した場合は、事務管理は成立しない。よって、②及び④は妥当でない。事務管理の要件として、他人の事務の管理をする必要がある(民法697条1項)ので、自己の事務を行う場合、事務管理は成立しない。よって、③は妥当でない。したがって、正解は①である。(基本法務テキスト364,365,367頁)
■政策法務
〔正解〕③
〔解説〕①は妥当である。議員定数の規定(地方自治法90、91条)は、当初の人口規模別の法定化から、条例による減少可能規定の措置→法定上限の範囲内での条例化→法定上限の撤廃による完全な条例化となった。②は妥当である。選択肢に記載の通りである。③は妥当でない。定例会の招集回数は各自治体が条例により定めることができ(地方自治法102条2項)、また、2012年の地方自治法改正で通年会期制度を選択することが可能となった(同法102条の2)。④は妥当である。この2012年改正は、特定の自治体において、長が議会を招集せずに専決処分を繰り返すなど、地方自治法がおよそ想定していなかったような措置が講じられたことを背景になされた。(政策法務テキスト228~229頁)