2023.02.10 政策研究
第14回 政策(議会基本条例)と議会・議員(上)
会派
会派のある地⽅議会の運営において議員は、会派の⼀員として活動することになる。そこでは、江藤俊昭がいうように会派は議会運営における重要な単位となる(江藤 2019:1)。
そのような会派の特徴とその理由は、表3のとおり整理できる。
出典:筆者作成
表3 会派の特徴とその理由
このような会派の特徴には、良しあし両面がある。悪い面が顕在化すると、議会の本来の機能(市民の代表機能、政策作成(提言)機能、首長(行政)制御機能)を発揮できない。このことから、議会の基本条例には会派を適正な内容で明確に位置付ける必要がある。会派のない小さな議会においても、会派の規定をあらかじめ設けるか、少なくとも用意しておくことが必要であろう。もちろん、それぞれの会派は、選挙における「応援」のためでなく、「政策」の類似や共通関心に基づく会派、すなわち、政策型会派であることが求められる。会派は、1人会派を除き複数議員から成り立っていることから「政策の豊富化」をもたらしうる。
また、土山希美枝は、投票など市民からの信任を受けていない任意団体として、会派ができないことは、①会派に所属していることによって議員の発言、賛否や判断のありようを強制すること、②会派に所属していない議員と所属している議員に、それのみによって権限の差をつけること、の大きく2点ではないかという。そして、②に近い例として岩手県議会基本条例を挙げている(土山 2019:160-162)。
既存の議会基本条例では、「会派の(会派が)できる事項」を規定する場合が少なくないが、「会派ができない事項(禁止事項)」を規定することも必要である。