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2022.12.26 議会改革

第34回 議員定数の問題にどう臨むか

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 そもそも、例えば、議員1人当たりの人口などによる比較は、客観的な数値によるものと見られがちであるが、人口の少ない自治体では数値が小さくなるのに対し、人口の多い自治体では数値が大きくなるのは当然である(3)。議員定数を考える上で、人口は考慮要素の一つとなるのは確かだが(4)、決定的な要素となるものではない。自治体議会の議員定数について、人口1万人に議員1人の割合だとか、人口10万人に議員1人の割合だとかいわれることもあるが、何か根拠のあるものではなく、当てはめ方によっては極端な結果となってしまう。日本の人口が増加していた時代に国会や自治体議会の議員の数が必ずしもそれに合わせて増えてきたわけではないのであり、人口減少時代には減少に比例して定数を減らすべきとの議論も見受けられるものの、それが直ちに議員定数の削減に結び付くわけではないともいえる(5)。人口のほか、面積が要素として挙げられることもあるが、何らかの考慮要素となることはありうるにしても、定数に直接に関係するものではない。
 また、議員定数の削減が論じられる場合にはしばしば財政状況が持ち出される。しかしながら、財政状況の悪化や厳しい財政事情にもかかわらず議会だけは聖域といったことはないにしても、財政全体に占める議会の経費というのはそれほど大きくはないのが一般的であり(6)、財政の監視は議会の役割でもある。財政状況が語られる割には、財政状況が議員定数に与える影響は小さいとの分析も多く(7)、改革の努力をしていることを示す象徴的な意味合いをもつにとどまるとの見方もある。
 このほか、議員を専門職的なものと捉えるか名誉職的なものと捉えるか、議員報酬をどのような水準とするかなどといったことも実際には関係してくることになる(8)
 他方、議員定数は、議会の任務や機能、民意の反映のあり方に大きくかかわってくることになるのであり、その点からも論じられるべきだろう。この点については4で述べることとしたい。
 議員定数の問題は、どのような議会像や民主主義観に立つのか、また、国民や住民の理解がどこまで得られるかにかかってくることになる。

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