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2022.11.25 議会改革

第33回 国等の政策にコミットする

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 なお、国がある政策決定をする際に、法律で義務付けられた自治体への意見聴取等が行われなかったり、不十分であったりした場合の決定の効力も問題となりうる。この点については、それぞれの規定の趣旨に基づいて判断されることになるものの、同意といった厳格な要件となっている場合であればともかく、そうではない場合には、その効力に影響を与えることにはならない可能性が高いのではないかと思われる。争訟制度との関係でも、自治体は、行政庁の処分に対して、行政不服審査法の審査請求を行う資格はないと解されており、また、裁判所による救済についても、行政事件訴訟法が規定する機関訴訟は、法律の定める場合において法律に定める者に限り提起できるとされており、抗告訴訟についても自治体が提起できるかどうかの問題があり、仮にできるとしても、原告適格が認められることはあまりないだろう(20)
 もちろん、だからといって、国の側は、その手続を適切に履行し、その意見等を十分に考慮する必要があることは、いうまでもない。
 このほか、地方分権改革の一環として、地域の発意と多様性を重視し、自治体に対する権限移譲や規制緩和にかかわる改革提案を自治体等から募る「提案募集方式」が2014年から導入され(21)、それも踏まえて、毎年、分権一括法(地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律)が制定されているが、これも自治体による国政参加の一つといえるだろう。
 また、自治体の長や議会の議長・議員などが、国会の委員会において公聴会の公述人や参考人として意見を述べたり、国の審議会のメンバーとしてその審議・答申に加わったりすることなどもある。国の機関が行うパブリックコメントに自治体や自治体議会として意見を述べることもありうるが、行政手続法の適用があるパブリックコメントの場合には、提出意見に対しては十分に考慮する義務が課せられ、提出意見とその考慮結果及び理由を公示しなければならないものとされているところだ。
 個別の自治体の意見表明等の場合には、当該自治体としての意見となることが多いと思われるが、地方の側の意見として述べられることもありうる。

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