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2022.11.25 議会改革

第33回 国等の政策にコミットする

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(2)個別の参加の仕組み
自治体の国政等へのコミットということでは、個別の法律で、自治体の意見の聴取や提案を認める例も増えてきている。
 国や自治体が計画の策定や措置の決定に当たり、関係自治体の意見を聴くことを義務付けているのがその一つであり、国については、子ども・若者育成支援推進法、文化財保護法、漁港漁場整備法、都市再生特別措置法などにその例がある(17)。自治体ではなく、自治体の長の意見を聴くとする例も多い。
 このような意見聴取型だけでなく、国の意思決定前に自治体からの意見の申出を認める意見申出型(地方交付税法による総務大臣に対する交付税の額の算定方法に関する意見の申出等)、国の意思決定に不満がある場合に自治体からの意見の申出を認める不服申出型(地方財政法による内閣に対する国が行う事業の負担金予定額についての不服に関する意見の申出等)、関係自治体の同意を得ることを義務付ける同意型(自然環境保全法による原生自然環境保全地域の指定をする場合の区域内の土地所有自治体の同意等)、関係自治体との協議を求める協議型などもある。
 他方、2011年に制定された東日本大震災復興特別区域法では、認定自治体等が「復興特別意見書」を国会に提出できることとされた(18)。構造改革特別区域法、総合特別区域法、国家戦略特別区域法などによる特区制度では、自治体等が規制の特例措置の提案等を行い、全国展開が妥当なものは法律の規制を改革することになっているが、これも自治体による国政参加の手段となっていると見ることができる。
 意見や案を提示するのは、自治体の長となるのが一般的であるが(19)、その際には議会の意見を聴くことを規定しているものもある。仮に規定されていなくても、長が事前に意見を聴くような慣行をつくっていくことなども必要だろう。事柄によっては、条例で議会の議決を要することにすることも可能ではないかと思われる。「地方公共団体の意見」と「地方公共団体の長の意見」の相違に留意し、法律において、自治体の長の機関の意見ではなく、自治体の団体の意思としての意見を聴くとしていることに、もっと注目すべきだろう。

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