2022.11.25 議会改革
第33回 国等の政策にコミットする
すなわち、都道府県議会議長会が「今後の地方議会・議員のあり方に関する決議」(2020年5月27日)、市議会議長会が「多様な人材の市議会への参画促進に関する決議」(2020年5月27日)、町村議会議長会が「地方議会の位置付けを明確に規定する地方自治法の改正等の早期実現を求める決議」(2021年2月9日)の中で、意見書の積極的な活用とその活用結果の公表に関する要望を行っており、例えば、都道府県議会議長会の決議では、議会が国会又は関係行政庁に提出した意見書については、それぞれの地域で抱える問題を解決すべく当該議会で議論した思いが表明された議会機能の重要な行使であるとして、これを積極的に調査・分析し、国の政策立案に活用すること、また、意見書の活用結果について国と議会との意思疎通を図るためにも、ウェブサイト等により公表することを求めている。そして、そのような中で、栃木県の「地方議会からの意見書の実効性を担保する制度の確立を求める意見書」では、国会内において、プロジェクトチームを設置し、意見書の活用について検討する動きがあることにも言及している。
実際、参議院では、意見書について分析なども行われるようになっている。
それによれば(7)、2021年に参議院で受理された意見書は6,217件であり、意見書を提出議会別に分類すると、都道府県議会が657件、市議会が2,752件、町議会が2,290件、村議会が476件、特別区議会が40件、自治体の組合議会が2件であった。
参議院における意見書の年間受理件数は、2005年には1万4,225件に達したが、それ以後は逓減傾向となり、2021年は、前年の6,564件に比べ347件(5.3%)の減少となったものの、新型コロナの影響がまだ少なかった2019年の4,274件に比べると大幅な増加となっている。これは、新型コロナの感染拡大やその長期化に伴い、新型コロナ感染症対策に関連する要望を含む意見書の提出の増加によるものと考えられるという。
出典:根岸隆史=徳田貴子=伴野誠人=永籏舞衣(参議院行政監視委員会調査室)「地方議会からの意見書(1)─参議院が受理した意見書の主な項目(令和3年)─」立法と調査444号(2022年)
図 参議院における意見書受理件数の推移