2022.11.10 議員活動
自治体法務検定演習問題を解いてみよう(その51)
正解及び解説
■基本法務
〔正解〕①
〔解説〕この問題は、刑法分野からの出題である。刑法は、公文書と私文書とで区別するとき、及び有印と無印で区別するときは、信用に対する要保護性の高さ、信用に対する侵害の程度の違いに応じて、刑の重さを変えて規定しているが、偽造と変造、偽造と行使とでは、信用に対する侵害の程度は基本的に同じとみて、同一の刑を定めている。したがって、②は妥当でなく、③、④も妥当でないが、①は妥当である。(基本法務テキスト427頁)
■政策法務
〔正解〕③
〔解説〕①、②は妥当である。市民参加という用語は何を意味しているのか。これは市民活動に(行政機関を含む誰かが)参加するという意味ではなく、市民が(市民活動を含む公共的な活動に)参加することを意味しており、言わば参加の主体に着目した用語である。その参加主体としての市民には、行政活動の対象としての市民のみならず、主権者としての市民が含まれることはもちろん、公務の担い手としての市民も含まれ、法人である場合も考えられる。③は妥当でない。パブリックコメント制度は、事前公表された政策案に市民が意見を提出するだけでなく、提出された意見に対する行政機関の考え方の公表も含んでいる。④は妥当である。自治体によっては、条例により、住民投票のような直接参政制度を採り入れているが、地方自治法上の制度として一般的に採用されている間接民主制による意思決定方式に代替し得るものとは考えらえていない。(政策法務テキスト240,242~244頁)