2022.10.11 政策研究
第10回 政策(平和・コミュニティ・学習・文化・芸術・学校・給食・人権)と自由・権利
人権
法務省のホームページ「主な人権課題」の冒頭には、表3のような文章が載っている(2)。
出典:法務省ホームページ「主な人権課題」(https://www.moj.go.jp/JINKEN/kadai.html〔2022年8月14日確認〕)
表3 主な人権課題
人権問題では、直接の加害者(積極的加害者)や「見て見ぬふりをする加害者(消極的加害者)」が加害者意識を明確に持つことが肝要である。そして、被害者を救う「優しさ」が必要とされる。
しかし、「優しさ」が自分に悪影響をもたらすこともある。例えば、ヤングケアラーの問題である。ヤングケアラーは、家族の面倒を見るという優しさがあるから、自らを危機に陥れてしまうこともある。人権問題は、人それぞれの環境を多面的に見ることが求められている。
東村山市議会「政策研究会」の取組み:多磨全生園の将来構想に関して
東村山市議会には、政策研究会がある。政策研究会とは、東村山市議会基本条例13条の規定に基づき、議会が自らの政策提案・立案機能を強化するため、複数の会派の議員により重要な事業、緊急性のある課題等について調査・研究するものである。会議は原則として公開されており、市民も傍聴できる。政策研究会は、これまで三つの研究会が進められてきた(現在活動している研究会は二つ)(東村山市議会ホームページ「政策研究会」)。
本節では、政策研究会「多磨全生園の将来構想に市議会は何ができるか」(研究期間:2022年7月4日~2023年3月31日)の活動の一部を紹介したい。この政策研究会の「目標とする政策の具体的な内容」は、表4のとおりである。
出典:東村山市議会ホームページ「多磨全生園の将来構想に市議会は何ができるか」(https://www.city.higashimurayama.tokyo.jp/smph/gikai/katsudo/seisakukennkyuu/zennsyouennkennkyu.html〔2022年8月18日確認〕)
表4 政策研究会「多磨全生園の将来構想に市議会は何ができるか」の「目標とする政策の具体的な内容」
第2回研究会が、2022年8月12日午後2時から午後4時の間、第1委員会室において開催された。この日は、インターネット(Zoom)からの傍聴もできた。テーマは、「『いのちとこころの人権の森宣言』を読み解く」と題したものであった。2009年9月議会で可決した「いのちとこころの人権の森宣言」について、その意味と意義について講師から話を聞く内容であった。筆者もオンラインで傍聴したが、熱心な質疑応答もあり有意義な研究会であったと思われる。
この研究会の特徴の一つは、市有財産ではない「まちの資源」にも議会が関心を持ち、議会に何ができるのか、また何をすべきかを考えていることにありそうだ。このような取組みは、市民にとっても意義ある活動と思われる。