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2022.10.11 政策研究

第10回 政策(平和・コミュニティ・学習・文化・芸術・学校・給食・人権)と自由・権利

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コミュニティの包摂性・排除性と留意点

 コミュニティは、身近な生活の場であり基盤である。自分の置かれた位置を確認できる場でもある。ときには、社会の影を見て、初めてコミュニティがあることで自分にも光が当たっていたことに気づく。ここにいうコミュニティは、町会・自治会等の地縁型コミュニティとNPO等のテーマ型コミュニティの両方を含む。
 コミュニティは、身近な人にとっては有益性が高いといえる。そばにいるだけで癒やされることもある。フェイス・ツウ・フェイスで会えなくともSNSで癒やされることもある。コミュニティには、このような包摂性がある。他方、コミュニティには、仲間に入れないという排除性がある。すなわち、コミュニティには、包摂と排除という両義性がある。大切なのは、そのことを忘れずに意識しながらコミュニティをつくること・参加することである(1)議会も、コミュニティに関する政策を判断するときには、そのことを踏まえ行うことが必要である。

コミュニティにおける祭り・フェスティバルの効能、コミュニティの強靭(きょうじん)性と脆弱(ぜいじゃく)性

 祭り・フェスティバルは、コミュニティ意識が希薄化したり、コミュニティ意識の崩壊が見られる中で、コミュニティの構成員をつないだり、魅力ある人材を発見するなどの効能を持つ。
 祭り・フェスティバルへの自治体の取組みとしては、それらの開催を支援したり、自ら開催することである。場合によっては、再編することも求められる。再編の理由は、開催者の負担を軽減する、駐車場の確保ができないため分散する、複数の祭り・イベントを融合・コラボすることにより「1足す1が2を超える」相乗効果を生み出したい等、様々である。なお、分散型の祭り・イベントを開催する方法としては、一つの自治体内だけでなく対象を近隣自治体や鉄道沿線あるいは河川沿いの自治体に広げることも考えられる。
 祭り・フェスティバルは、コミュニティへの共感を生み、人々にコミュニティをつなぐという信念を生む。そこでは、「他力を借りる力」、「自力を貸す力」というコミュニティの持つ強靭性が現れる一方、ときには「他力を借りない」、「自力を貸さない」というコミュニティの脆弱性が現れることもある。議会には、コミュニティの持つ強靭性と脆弱性を踏まえ、政策を判断することが求められる。

楽しいコミュニティ・役立つコミュニティならば共感は信念に高まる

 コミュニティは、様々な活動を通して、平和・学習・文化・芸術・学校・給食・人権の必要性について共感を生む。
 コミュニティでの活動は、物事を自分事として受け止めることになり、深い学習の機会につながる。コミュニティでの出会いは、コミュニティの中に自分を置き直すことで、人生を高めてくれる。そのことは、自由を生き抜く実践知を考え続けることにもなる。
 それらのコミュニティの活動は喜びにつながる。活動することには楽しいこともある。人は合理的なものだけでは窮屈で面白くない。楽しいコミュニティならば、そこでの活動ははかどるであろう。そして、楽しいコミュニティ・役立つコミュニティならばコミュニティの活動を通した共感は信念に高まる。コミュニティとしての議会にも同じことがいえる。

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