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2022.08.25 政策研究

第12回 「対話」により「議会基本条例」の評価・検証を行うことで条例の原点に立ち戻る

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議会基本条例や議会活動に関する評価・検証の現状

 議会、議員のありたい姿と、それを実現させるための運営方針や基本的なルールを定めた「議会基本条例」。公共政策研究所による、全国1,788自治体のホームページの例規集を調査した「全国の1788自治体における議会基本条例の施行状況」によると、2022年4月1日現在、議会基本条例を施行している議会は、930議会(52.0%)。全国半分の議会に議会基本条例があることになる。その調査によると、施行のピークは2013年の157議会で、その年に施行議会の累計数も509議会(28.5%)になっている。施行後10年以上が経過する議会も増え、制定当時の議論に参加していない1期生、2期生の議員も増えてきている。
 では、議会基本条例の評価・検証の取組みはどうなっているか。早稲田大学マニフェスト研究所の「議会改革度調査2021」(2022年1月~2月実施、回答数1,355議会/回答率75.8%)によると、議会基本条例や議会活動に関する評価・検証についての設問で、該当する取組みがない議会が915議会(67.5%)と、議会基本条例を制定していない議会も含まれるが、議会活動のPDCAサイクルを回していない議会が圧倒的に多い。議会基本条例を制定している議会では、見直し規定に基づく条例評価を4年に1回行っている議会は138議会、4年に2回以上が73議会、不定期に実施が162議会となっている。評価・検証の仕方やその反映の仕方は様々だと思うが、議会基本条例の評価・検証を行う議会は373議会となっている。
 品質管理の分野では、「問題」とは、設定してある目標、目指す姿と、現実、現在の状態とのギャップである、と定義される。議会でいうと、目指すべきありたい姿は、それぞれの議会の議会基本条例で明確に言語化されている。議会基本条例の評価・検証は、議会の現状を確認し、ありたい姿とのギャップ、条例どおりにできていない点、問題をあぶり出すプロセスである。そして、その問題への取組みの総称が「議会改革」ということになる。
 また、「問題意識」とは、目指すべき姿と現状のギャップを認識し、それを解決しなければならないと認知している状態のことである。議会内で議会改革に対する問題意識を生み出し、共有するには、議員全員が関わる形で議会基本条例の評価・検証を行い、議会改革の必要性を全議員が認知することが不可欠だ。
 今回は、筆者が最近議会の研修で実施している「議会基本条例の評価・検証のワールドカフェ」のプログラムを紹介するとともに、対話により、議会改革に対する問題意識を議会内につくり出す方法論を考えていく。
 なお、「ワールドカフェ」とは、カフェにいるようなリラックスした雰囲気の中で、4~5人の少人数のグループに分かれ、参加者の組み合わせを変えながら、自由に話し合いを発展させていく対話の手法。新型コロナウイルス感染症の感染拡大前には、市民との意見交換会の手法として取り入れる議会も増えていた。
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山形県酒田市議会でのワールドカフェ
 

 

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