2022.07.11 議員活動
自治体法務検定演習問題を解いてみよう(その47)
正解及び解説
■基本法務
〔正解〕③
〔解説〕この問題は、行政法の行政救済法分野からの出題である。義務付け訴訟には、申請型義務付け訴訟と直接型(非申請型)の義務付け訴訟がある。申請型義務付け訴訟には、拒否処分型と不作為型がある。①は、申請型義務付け訴訟のうち、拒否処分型の義務付け訴訟が提起される場合である。②は、申請型義務付け訴訟のうち、不作為型の義務付け訴訟が提起される場合である。差止め訴訟には、不利益処分を当該処分の名宛人が差止めるために提起する場合と、許可等の授益処分を第三者が差止めるために提起する場合とがありうる。したがって、③は妥当でない。差止め訴訟は、処分がなされる前に提起される必要があるので、④は妥当である。(基本法務テキスト131~133,149頁)
■政策法務
〔正解〕①
〔解説〕①は妥当である。地方自治法16条3項は、「条例は、条例に特別の定があるものを除く外、公布の日から起算して十日を経過した日から、これを施行する」と規定している。②は妥当でない。通常は、条例中のすべての規定が同時に施行されるものの、一部の規定について、「この条例は、令和〇年〇月〇日から施行する。ただし、第〇条の規定は、同年〇月〇日から施行する」といったような規定を設けることで、異なる施行期日を定めることは許される。③は妥当でない。施行期日を条例中で具体的に明記できない場合には、「この条例は、公布の日から起算して〇月を超えない範囲内において、規則で定める日から施行する」というような規定が設けられることがある。④は妥当でない。日本国憲法39条は、「何人も、実行の時に適法であつた行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれない。又、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれない」と規定しており、刑事処罰の遡及適用の禁止を謳っている。しかし、刑罰法規以外の場合において、条例の規定の施行によって住民に利益がもたらされるときには、当該規定が遡及適用されることはある。(政策法務テキスト90~91頁)