2022.06.10 政策研究
第5回 我がまちの温室効果ガス排出量を計算してみよう(3)
前所沢市議会議員 木田 弥
【今回のテーマから考えられる一般質問モデル案】
〇我がまちでは、区域からの温室効果ガス(GHG)排出量のデータを大分類の「産業部門」、「家庭部門」、「業務部門」、「運輸部門」、「廃棄物部門」、「工業プロセス」、「エネルギー転換部門」までしか公開していないが、その下の分類、例えば「産業部門」でいえば、「製造業」、「建設業・鉱業」、「農林水産業」などの分類の排出量も、「部門別CO2排出量の現況推計」に倣って公表するべきではないのか?
これまで2回にわたって、「我がまちの温室効果ガス排出量を計算してみよう」というテーマで、具体的な地方自治体の例に即して算出方法の考え方を説明してきた。
前回は、火力発電所の事例に見られるように、実際のリアルな排出量(真の値)がそのまま区域内のGHG排出量に反映されないということを紹介した。また、「産業部門」─「製造業」から排出されるCO2の算出方法の概略についても紹介した。
今回は、実際に「産業部門」─「製造業」から排出されるGHG排出量を、「都道府県の製造業炭素排出量」、「都道府県の製造品出荷額等」、「市区町村の製造品出荷額等」を用いて計算し、「部門別CO2排出量の現況推計」の値と比べる。ここがヤマ場なので、算数に苦手意識のある方は途中で投げ出したくなるかもしれないが、基本は足し算と掛け算しかないので、しっかりついてきてほしい。ここを越えれば、GHG排出量算出の基本について見通しが利くようになり、第三者にも説明できるようになるはずだ。
「産業部門」─「製造業」から排出されるGHG排出量に着目して紹介したのは、他の項目(「業務その他部門」、「家庭部門」、「運輸部門」など)が人口に比例して排出量が増える傾向があるのに対して、まちにどのような産業が立地しているかによって、まちごとに大きく違いが出てくる特徴があるからだ。環境省「地方公共団体実行計画(区域施策編)策定・実施マニュアル(本編)」(2022年3月。以下「マニュアル本編」という)で例示している算出方法のバリエーションも五つと、他の分類に比べて多い。
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