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2022.05.13 政策研究

第5回 政策(計画)と継続・調和・調整

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結び

 議会には、市民のために常に民主的であろうとする努力が求められる。この努力しようという気持ちが薄れ、欠けたとき、無責任の体系が「自治体政府内における鉄の三角形」として生まれる。「鉄の三角形」を構成するのは、議会(議員)・首長・職員(議会事務局職員・執行部職員)であるが、その責任は、誰にでも責任があるがゆえに、誰もが決定的な責任主体ではないという気持ちを生ずることにあるのかもしれない。
 この「自治体政府内における鉄の三角形」は、市民などの自治体政府外からは見えにくい。このような課題を打破し超克することを自治体議会(議員)に期待する。市民の議会への参加機会を増進し、市民の行政への参加機会を促進することは、そのことを構造的に打破する解の一つとなろう。
 地域に陽(ひ)が昇るには議会が必要である。人の心を温かくするには議会が必要である。議会に対するこのような市民の「まなざし」があれば、議員の内面も変容する。山本圭は、民主主義は、過去から相続し、未来に手渡す価値ある遺産なのである(山本 2021:233)と述べているが、代議制民主主義の一形態として自治体議会も過去から相続し、未来に手渡す価値ある遺産であることを忘れてはならないであろう。

■参考文献
◇礒崎初仁(2018)『⾃治体政策法務講義〈改訂版〉』第⼀法規
◇佐野亘(2018)「⼿段」⽯橋章市朗=佐野亘=⼟⼭希美枝=南島和久『公共政策学』ミネルヴァ書房、237〜260⾴
◇立石隆教(2013)「議員間討議による審議活性化と総合計画づくり」廣瀬克哉=自治体議会改革フォーラム編著『議会改革白書2013年版』生活社、45~48頁
◇橋場利勝=中尾修=神原勝(2008)『議会基本条例の展開:その後の栗山町議会を検証する』公人の友社
◇廣瀬克哉(2015)「あらためて基本構想のあり方と議決の意義を考える」廣瀬克哉=自治体議会改革フォーラム編著『議会改革白書2015年版』生活社、41~45頁
◇松下圭一(1991)『政策型思考と政治』東京大学出版会
◇松下圭一(2011)「東日本大震災と公共・政府政策」公共政策研究vol.11、6~21頁
◇山本圭(2021)『現代民主主義─指導者論から熟議、ポピュリズムまで』中央公論新社
◇横山すみ子(2013)「葉山町第三次総合計画後期基本計画を修正議決」廣瀬克哉=自治体議会改革フォーラム編著『議会改革白書2013年版』生活社、58~61頁

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