2022.03.10 議会運営
第82回 任期開始時における政務活動費の支出/オンライン参考人の是非
オンライン参考人の是非
本会議又は委員会における参考人を招致する場合、オンラインで招致することは可能か。
本会議及び委員会においては、地方自治法(以下「法」という)115条の2及び109条5項により地方公共団体の事務に関する調査又は審査のために必要があると認めるときは参考人を招致し、その意見を聴くことができることとされている。参考人制度は、公聴会制度がその手続の煩雑さから開催することが実務上困難であることから、より簡単な手続で住民の意思を直接聴取する方法として設けられたものである。
【法115条の2】
② 普通地方公共団体の議会は、会議において、当該普通地方公共団体の事務に関する調査又は審査のため必要があると認めるときは、参考人の出頭を求め、その意見を聴くことができる。
【法109条】
⑤ 第115条の2の規定は、委員会について準用する。
ここで、参考人は法115条の2において議会が必要があると認めるときに出頭を求めると規定されており、法113条及び法116条においての本会議での議員の出席が現に議場にいることと解されていることから、本会議の参考人における出頭も、現に議場に出頭することと解される。したがって、本会議において参考人をオンラインにより招致することはできないと考えられる。
そして委員会においても法109条5項で本会議における参考人の規定を準用していることから、原則としてオンラインによる参考人の招致は認められないものと考えられる。
しかし、標準市議会委員会条例29条の規定のとおり、地方自治法では規定していない委員会での委員会の許可による参考人の代理人による意見陳述や文書での意見の提示が認められていることから、委員会条例に別途規定すれば本会議と異なり、オンラインによる参考人招致も可能であると考える。
【法109条】
⑨ 前各項に定めるもののほか、委員の選任その他委員会に関し必要な事項は、条例で定める。
【標準市議会委員会条例29条】
③ 参考人については、第26条(公述人の発言)、第27条(委員と公述人の質疑)及び第28条(代理人又は文書による意見の陳述)の規定を準用する。
【標準市議会委員会条例28条】
公述人は、代理人に意見を述べさせ、又は文書で意見を提示することができない。ただし、委員会が特に許可した場合は、この限りでない。
ゆえに、本会議におけるオンラインによる参考人招致は地方自治法で規定されている以上に規定することができないため認められないと考えるが、法109条9項の規定のとおり、委員会における参考人招致についてはその手続について規定が存在しないことから、別途オンラインによる参考人招致の規定を委員会条例に設けるならば可能であると考える。