2022.03.10 政策研究
第3回 政策(SDGs等)と合理性
「ライフステージの連鎖」と「社会の連鎖」の合理性
人は、社会(個人・家庭・地域・団体・企業など=全てのステークホルダー)に支えられて生まれ、乳幼児期・児童期を過ごす。青年期を経て壮年期になると社会の支え手になることが多い。その後、老年期になり再び社会に支えられることも多くなり、やがては死亡する。
「生老病死」という言葉があるが、いずれのライフステージにおいても「障がい」を含め「病」が表れてくることもある。このことは、ライフステージいずれの時期においても人は社会の支えを受けて生きていることを示している。
ややもすると盛年なときには、自分が乳幼児期・児童期に支えを受けて大人になったことを忘れがちになる。しかし、一人の「ライフステージの連鎖」は、社会の人々をお互いに支え合うという「社会の連鎖」を生む。そこには、連鎖の合理性がある。
ロジックモデルの合理性
意思疎通を図るためには、何らかの共通言語が必要である。ここでいう共通言語とは、共通の言葉だけではなく、共通の思考形態を含む。ロジックモデル(図1参照)は共通の思考形態の一つである。共通の政策仮説としてのロジックモデルを利用することで、様々な主体が政策仮説の作成に連携して関わることができる。例えば、連携する組合せとしては、市民同士、議員同士、職員同士、市民と議会、市民と行政、議会と行政、自治体政府と他の自治体政府、自治体政府と国、が考えられる。
また、ロジックモデルは仮説であることから、実施した後に検証することが必要である。この検証は、ロジックモデルのブラッシュアップにつながる。
出典:筆者作成
図1 ロジックモデル(道路整備・供用)の例
議会基本条例・議会計画の合理性
議会が議会基本条例を制定し運用すること、議会が計画を策定し実践することは重要である。もちろん、条例や計画をつくるときの十分な議論、その後の研修、不断の見直し・改正は必要である。
なお、条例や計画における策定手続、決定(策定)期間、策定体制をあらかじめ決定してから議論することは肝要である。これらのことが定められていることにより、「いつになっても結論が出ない」という問題を解決でき、暫定的ではあるものの条例や計画の制定ないし策定の適正さが確保できるのである。
そして、議会基本条例や議会計画で目的・目標を定め実践することは、議会活動の合理的なPDCAサイクルにつながる。