2022.02.25 政策研究
第9回 常任委員会の効果性を上げて「議会からの政策サイクル」を回す~岐阜県可児市議会の取組み~
可児市議会の改革の取組み
可児市議会では、2003年9月、「議会活性化特別委員会」を立ち上げ、議会改革に取り組み始めた。一般質問の一問一答・対面方式の導入、費用弁償の廃止等、できることから改革を実践してきた。その流れが加速したのは、2007年7月の改選で新人議員が8人当選したことによる。2010年12月には、有志議員による「議会基本条例調査研究プロジェクトチーム」を立ち上げ、2011年2月に全議員が政務調査費を出し合い、「議会改革のためのアンケート調査」を実施。市民が議会に関心を持っていない厳しい現状を痛感する結果になった。このアンケートを受けて、プロジェクトチームでは、「議会基本条例特別委員会」の設置、議員定数及び議員報酬についての調査研究、議会報告会や意見交換会の実施などをうたった提言書をまとめ議会運営委員会に答申。2012年2月には、初めての議会報告会を開催、12月には「議会基本条例」を制定した。
2014年2月、20歳未満の若い世代の意見に対してどう対応しているのかといった議会の問題意識と、キャリア教育推進のためには地域で活動する大人と関わる機会をつくる必要があるとの市内の県立可児高校の問題意識が合致して、議会主催のキャリア教育支援の取組みとして「高校生議会」が行われた。7月には、地域の課題について、高校生、議員、課題に関連するステークホルダーとで、ワークショップ形式で対話をする「地域課題懇談会」が、医師会の協力を得て開催された(その後、金融協会、商工会議所等とも開催)。こうした取組みが評価され、2015年の「第10回マニフェスト大賞」で、最優秀成果賞、マニフェスト大賞(議会)を受賞した。若い世代の意見を議会に反映させる取組みは、子育て中の女性にも広がり、2016年8月には、「ママさん議会」が開催され、建設予定だった子育て拠点施設の運営に関する意見書を採択した。
以下、こうした可児市議会の改革の積み上げで構築された「予算決算審査サイクル」、「意見聴取・反映サイクル」について、詳しく説明する。
地域課題懇談会
ママさん議会