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2022.02.10 政策研究

第2回 政策(子育て支援)と比較

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金銭的価値と非金銭的価値の比較

 金銭的価値と非金銭的価値の比較は、これまでにも行われてきた。かつては、足尾銅山鉱毒事件のように人権よりも富国が優先されたことがあった。その後も、人権よりも利益(金銭的価値)を優先することにより、種々の公害問題、薬害問題、文書廃棄・偽造問題、食品ロス問題、廃棄物処理問題等が継続して起きている。
 これに対して、非金銭的価値を優先させる取組みがみられる。例えば、SDGs(持続可能な開発目標:Sustainable Development Goals)の取組みは、人権重視・環境重視など、その非金銭的価値を重視した取組みといえる。ここでは、「ジビエ」について考えてみよう。
 ジビエは、フランス語で、狩猟で捕獲した野生鳥獣の肉や料理のことである。農村地域で深刻な被害をもたらす野生鳥獣の被害防止対策により野生鳥獣の捕獲数が年々増加する中で、これを地域資源としてとらえ野生鳥獣肉(ジビエ)として有効に活用する前向きな取組みが広がっている(農林水産省農村振興局鳥獣対策・農村環境課鳥獣対策室 2022)。
 ジビエは、野生鳥獣による被害を防止するマイナス防止効果だけでなく、野生鳥獣の生態系を守ったり、野生鳥獣を無駄にしないというプラス増進効果もある。「マイナス防止効果」+「プラス増進効果」という非金銭的価値は重要である。
 このことは、「何を」、「どのように」比較するかという視点の大切さを示している。

連携と単独の比較

 ここでは、施設(○○館や○○センター)の建設・開業までに必要な能力について考えてみよう。表4は、施設の建設・開業までに必要となる能力のいずれかを持っている主体A、B、C、D、Eが連携して目標達成に向けて取り組んだ場合と、連携せず単独で目標達成に向けて取り組んだ場合の差異を示したものである。A、B、C、D、E単独では目標達成できなくとも、連携することによって目標達成が可能となる。
 このように、政策は様々な主体が連携することで目標達成できることが少なくない。もちろん、この主体が民間企業であることも多い。
 これらのことは、議会にも当てはまる。一人の議員だけでは実現不可能であっても、議員が複数集まり連携することによって、実現可能となることもある。連携するのは、議員だけに限らない。連携先が傍聴人(市民やマスコミ等)である場合もある。常任委員会等で傍聴人がいると議員の言葉遣いが落ち着いた表現になることも少なくない。また、専門家と連携する場合もある。専門家との連携は、議員に専門的知見を与えてくれる。
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出典:筆者作成
表4 施設整備における連携と単独による目標達成の結果(差異)

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