2022.01.28 議会運営
第81回 議員報酬減額の是非
◯欠席議員に対する報酬減額の可否(行政実例昭和24.8.25)
問 地方公共団体の議会の議員の報酬条例において期間を定め、その期間議会(委員 Q A2 会を含む。)に出席しない場合には当該期間分の報酬を支給しない旨の規定を設けることができるか。
答 お見込のとおり。
議会において懲罰事件により出席停止を受けた場合、懲罰は当該議員の出席停止を規定したにすぎず、あえて報酬まで減額することを想定して規定されたものであるとはいえないが、そもそも報酬は役務の対価である限り、懲罰により出席停止を受けた以上、当該期間は職務を行うことは考えられず、したがって、報酬を支給しない旨、あるいは減額支給すべき旨を条例に規定することは可能である。
◯懲罰議員に対する報酬の減額支給(行政実例昭和32.5.16)
問 町議会議員の報酬を月額で支給する旨の条例を設けている場合において、当該議会の懲罰により出席停止をうけた議員に対してその議員の報酬中から出席停止期間分の報酬を減額して支給すること、また、議会の会期が1ケ月以上にわたる場合、会期中の出席停止処分をうけた議員に対してその期間中の報酬を一切支給しないことを条例で規定することができるか。
答 できる。
普通地方公共団体は、法204条の2により法律又はこれに基づく条例に基づかないでいかなる給与その他の給付もできないこととされているが、報酬及び費用弁償は普通地方公共団体が支給しなければならない義務を負うものであって、これを受ける権利は公法上の権利であるから、条例をもって報酬を支給しないことと定めたり、あらかじめこれを受ける権利を放棄することはできない。