2021.08.12 議員活動
自治体法務検定演習問題を解いてみよう(その36)
正解及び解説
■基本法務
〔正解〕①
〔解説〕この問題は、民法総則の諸制度分野からの出題である。解散後の総選挙期日の起算日に関し、初日不算入の原則(民法140条)を適用したものがある(大判昭5・5・24民集9巻468頁)。したがって、①は妥当でない。届出期間は、届出事件発生の日からこれを起算する(戸籍法43条1項)。したがって、②は妥当である。期間の起算点は、期間の初日が算入されないのが原則であるため(初日不算入の原則)、その翌日が起算点となる(民法140条本文)。もっとも、③のように初日に端数がでない場合には、初日(令和元年6月1日)が起算日となる(民法140条ただし書き)。したがって、③は妥当である。月又は年の最初から期間を計算しない場合、最後の月又は年の起算日に応当する日の前日をもって末日とする(民法143条2項本文)。ただし、④のように最後の月に応当する日(令和2年4月31日)がない場合には、その月の末日が期間の末日となる(民法143条2項ただし書き)。したがって、④は妥当である。(基本法務テキスト300~301頁)
■政策法務
〔正解〕①
〔解説〕①は妥当でない。私法上の義務の履行確保を怠っていた場合、それが財務会計行為である場合、住民監査請求・住民訴訟において、違法と評価されることがあり得る。②は妥当である。違法是正に際しての自治体による裁量の統制の観点から、その基準化が望ましい。③は妥当である。一般法ではあるが、対象が代替的作為義務に限定されており、直接強制や執行罰の法定例もごくわずかであるため、現在の法制度では、義務の不履行について全面的なカバーはなされていない。④は妥当である。相手方に対する影響が重大になる場合もあり得るため、公表に際しての手続も重要事項となる。(政策法務テキスト124,126,128,132頁)