2021.08.12 議員活動
第11回 自治体議員の変容と「モチベーション」、「メンタリティと制約要因」、「資質」
結び
議会改革の成否は、議会及び議員の変容にかかっている。変容可能性を高めるためには、高いモチベーションが必要となる。そのためには、議員一人ひとりを人的資源として捉え、それを活用する人的資源管理の考え方も必要となろう。
ところで、自治体議会は主権者である市民の信託に基づく議員により構成され、行政(首長)とともに二元代表制を構築する機関である。そのため、自治体政府の運営を円滑に進めるためには、議員のモチベーションだけではなく、市民、議会、行政(首長・職員)のモチベーションが相互に高まることが期待される。そのことは、市民、議会、行政という三者の関係性が向上することにつながる。このことなくして、自治体政府改革、議会改革も成し得ない。
(1) 「NHK地方議員アンケート調査」の概要は、以下のとおりである。
・調査期間:2019年1月~3月
・調査方法:議会事務局を通じて調査用紙を配布し、郵送で回収
・調査対象:全国の地方議員3万2,450人 調査有効数(率):1万9,325(59.6%)
・掲載データの値は四捨五入しているため、合計が100%とならない場合がある
(https://www.nhk.or.jp/senkyo/database/touitsu/2019/questionnaire/giin/pdf/01.pdf〔2021年7月23日現在〕)。
■参考文献
◇NHKスペシャル取材班(2020)『地方議員は必要か 3万2千人の大アンケート』文藝春秋
◇田尾雅夫(2009)「行政改革とモチベーション」地方自治職員595号、73~87頁
◇待鳥聡史(2015)『代議制民主主義─「民意」と「政治家」を問い直す』中央公論新社