2021.08.12 議員活動
第11回 自治体議員の変容と「モチベーション」、「メンタリティと制約要因」、「資質」
7 議員に特有のメンタリティ(心性)、制約要因
モチベーションの向上を考える際、議員に特有のメンタリティ(心性)としては、「市民志向」と「結果重視」が挙げられる。「市民志向」と「結果重視」は、「選挙に勝つ(当選する)」ために必要なメンタリティである。しかし、議員のメンタリティは制約要因によりゆがめられることもある。例えば、他の議員の政治的介入により、自らの実現したい政策を主張できず、ゆがみを受けることがある。
なお、自分は政治的介入には屈せず、自らの信ずる政策判断をしようとする議員もいる。そのような議員は、会派からスピンアウト(独立)する場合も見られる。一人会派の議員や少数会派の議員、さらには大会派に所属してもドンに仕切られている若手議員の苦悩が目に浮かぶ。彼ら・彼女らは、様々なネットワークや研修の機会を活用することで、制約要因に立ち向かっている。
8 人的資源としての自治体議員の資質
前節に述べたような制約要因を克服するためには、議員一人ひとりを人的資源として捉え、それを活用することも求められる。表3は、議員を資源として活かすために議員に望まれる適性、あるいは期待される能力や資質である。また、このような適性、能力、資質を増進する研修が必要となる。