地方自治と議会の今をつかむ、明日につながる

議員NAVI:議員のためのウェブマガジン

『議員NAVI』とは?

検索

2021.07.28 議会改革

第20回 地方議会・自治体議会の歴史から学ぶ

LINEで送る

3 戦後の地方自治制度の整備と自治体議会

 戦後の日本の占領政策を担った連合国総司令部(GHQ)は、日本の民主化のためには、地方分権の徹底と民主的な地方制度の整備が必要不可欠と考えており、地方自治を保障する日本国憲法の制定とともに、地方制度の大改正を余儀なくされることとなった。地方議会についても再び注目され、議会の強化がその柱の一つとされた。
 地方制度については、それに先立ち、第90回帝国議会に政府から地方制度(市制・町村制・府県制・東京都制)の改正案が提出され、成立したが(第1次地方制度改正)(14)、大規模な改革ではあったもののなお不十分なものにとどまり、GHQ、衆議院などから批判を受けることになった。GHQは、政府が次の帝国議会で市町村の自治権の拡充・議会の権限の拡張・中央官庁の監督権の整理などの項目を織り込んだ改正を行うことを約束し、内務大臣と帝国議会がこのことを明らかにすることを要求した。これを受け、地方制度の第2次改正を行うこととされ、1946年8月30日に、衆議院の委員会で7項目の附帯決議がなされるとともに、政府は、閣議諒解を経た上で「地方制度改正に関する内務大臣談」を発表した。
 内務大臣談では、「現行憲法下における改正である為に、又現下の情勢に即応せしむる為に、地方自治の民主化を図る上において尚足らざるものの存することは、言ふ迄もない所」とした上で、「政府におきましては、議会における各種の論議並びに世論の動嚮に省み、地方分権及び地方自治の本旨に基き、地方自治団体の組織及び運営に関する自主性をさらに徹底せしめると共に、警察、教育、保健、衛生、財政及び労働等の財政を原則として地方自治団体に委譲してその指揮監督下に置き、中央政府は、これらの事務については、全国的基準の設定、各地方団体間の調整並びに情報の蒐集及び分配に関する職分を行ふに止める様な方向の下に、更に第二次的の地方制度の根本的改正を図る必要があると考へてゐるのであります。」とした。そして、次の諸点についても考慮する必要があるとして、「(一)知事の身分の切替へに伴ひ新たな見地より府県の組織及び運営の制度を確立すること、(二)大都市の特殊性に即応する如き大都市制度を確立すること、(三)市町村に対して自主的にその行政組織を選択せしめ、又特に監督を受くることなく、その事務を自主的に処理せしめる権能を与へること、(四)地方住民の真の意思機関としての地方議会の地位の強化及び権限の拡充を図ること、…(略)…(六)中央官庁の監督権を徹底的に整理すると共に法律に基かざる命令により地方団体の活動を制限することはできないものとすること、…(以下略)…」などを掲げた。これらについては、いまだに課題となっているものが少なくない。
 この地方制度の第2次改正については、地方制度調査会を設置して検討がなされ、地方自治法案としてまとめられることとなる。
 しかしながら、1946年12月に行われた地方制度調査会の答申では、例えば「議会及び参事会に関する事項」については、①地方議会の権限は、現行どおりとすること、②原案執行及び専決処分の制(15)は、現行どおり存置すること、③参事会は現行どおりとすること、とされており、見るべきものがほとんどない結果となった。

この記事の著者

編集 者

今日は何の日?

2025年 425

衆議院選挙で社会党第一党となる(昭和22年)

式辞あいさつに役立つ 出来事カレンダーはログイン後

議員NAVIお申込み

コンデス案内ページ

Q&Aでわかる 公職選挙法との付き合い方 好評発売中!

〔第3次改訂版〕地方選挙実践マニュアル 好評発売中!

自治体議員活動総覧

全国地方自治体リンク47

ページTOPへ戻る