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2021.07.12 議員活動

第10回 「自治体政府(二元代表制)」における議会

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7 日本型選挙と政策変容

 日本の議会は、「自治体政府(市区町村・都道府県による二層制)の二元代表制」と「国の議院内閣制(一元代表制[衆議院・参議院の二院制])で構成されている(図3参照)。また、自治体政府においては、議会の解散や首長の辞職があり選挙が行われた場合、その任期は前任者の残任期間ではなく4年間の任期となる。そのため解散や辞職があった自治体政府で行われる選挙は、議会と首長の投票日が開く(ズレる)ことになる。このことは、全国規模で見ても、統一地方選挙において実施される選挙が少なくなっていくことを表している。
 これらのことは、市民を取り巻く「環境変容」に対応しうる、何らかの国内選挙を用意することに近づく。各段階の政府(市町村・都道府県・国)における議会や首長の選挙は、別の政府の「政策変容」を可能ならしめることにつながるからである。つまり、時代錯誤の政策や行き過ぎた政策を短期間で正すことに、日本の選挙制度は好都合であるといえる(表1参照)。
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出典:筆者作成
図3 市民と政府(自治体・国・国際機構)の関係

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出典:筆者作成
表1 日本の選挙概要

8 日本型二元代表制のもう一つの意義:世界における「民主主義の実験場」

 世界的に見れば、二元代表制以外の地方自治制度をとっている自治体政府も少なくない(総務省 2020:38-46、今井 2017:44-45)。二元代表制を実施している自治体であっても、首長が欠けたことによる選挙後の任期は前任者の残任期間に限られている国もある。また、国の選挙が大統領制をとっているなど日本の国政選挙とは異なる場合もある(待鳥 2015:180-183、辻 2019:233-234)。世界における、自治体政府や国を含めた執政制度(首長や大統領・首相の選任方法、任期打ち切りの有無)や選挙制度は多様である。そして、日本の自治体政府や国を含めた執政制度や選挙制度が世界の国々とは異なるからこそ、世界において日本の自治体政府は、民主主義の実験の場としての役割を担っているといえる。

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