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2021.06.10 議員活動

第9回 「社会変容」「環境変容」「担い手変容」「政策変容」と議会

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3 都市型社会における「混沌(こんとん)期」から「安心・安全期」への変容

 しかし、日本の都市型社会にあっては、市民、団体・企業また自治体政府、国、国際機構の「相互制御」が不十分な状況で続いてきた。これからの10年を経て2030年代からは、同じ都市型社会であっても、1960~2020年代のような「不十分な、市民、団体・企業また自治体政府、国、国際機構の相互制御」の状況ではなく、「適正な、市民、団体・企業また自治体政府、国、国際機構の相互制御」が機能している社会であることが期待される。もちろん、2030年代という時期は、これまでの日本の社会動向を見ていると安易すぎるとの批判もありうるが、「市民、団体・企業また自治体政府、国、国際機構の相互制御」、そして相互制御に関わる人々に期待したい。そこには、自治体議会・議員も含まれる。
 以上のことを整理すれば、これまでの都市型社会は図1に示すように「混沌期」と呼ぶことができよう。これからは、混沌から抜け出し「安心・安全期」となることが期待される(図1参照)。

1図1 都市型社会における相互制御と政策の型

4 「混沌型政策」と「安心・安全型政策」

 それでは、「混沌期における政策」(以下「混沌型政策」という)と「安心・安全期における政策」(以下「安心・安全型政策」という)の差異は、どのようなところにあるのだろうか。それを表にしたものが表1である。
 そして、自治体政府の政策はミニマムだからこそ謬(びゅう)(間違い)が許されない。実際には、政策は可謬であるので、謬を極力小さくし、起きた謬を速やかに是正することが求められる。自治体政府が市民に供給できるのはシビル・ミニマムという最低限の水準だから、謬が発生すると余裕がなくて市民を傷つけることになる。だからこそ、議論をして決める必要があるし、弱者や少数者(少数意見)の目線で議論することも不可欠である。そのためには、ワークショップやヒアリングなどで直に意見を聴きながらシビル・ミニマムを決める必要がある。場合によっては、当事者が議会で発言することも必要になる。
 前段のシビル・ミニマムの議論はナショナル・ミニマムにも当てはまる。シビル・ミニマムもナショナル・ミニマムも最低限の水準だからこそ、安心・安全型政策が求められることになる。これからの社会においては、「混沌型政策」から「安心・安全型政策」への変容が求められている。

2表1 「混沌型政策」と「安心・安全型政策」の特徴

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