2021.05.12 議員活動
自治体法務検定演習問題を解いてみよう(その33)
正解及び解説
■基本法務
〔正解〕④
〔解説〕この問題は、行政法の行政救済法分野からの出題である。行政不服審査法1条1項は、「この法律は、行政庁の違法又は不当な処分その他公権力の行使に当たる行為に関し、国民が簡易迅速かつ公正な手続の下で広く行政庁に対する不服申立てをすることができるための制度を定めることにより、国民の権利利益の救済を図るとともに、行政の適正な運営を確保することを目的とする。」と定めている。公正・透明な行政手続の実現は、行政手続法の目的規定の内容なので、①は妥当でない。行政不服審査法は、処分を対象とした手続であるから②は妥当でない。また、国民の知る権利は、情報公開法の目的・機能に関わるので、③も妥当でない。(基本法務テキスト121,149頁)
■政策法務
〔正解〕③
〔解説〕①、②、④は妥当である。選択肢に記載の通りである。③は妥当でない。他の条例との関係では、例外的に自治基本条例に反する条例を無効と定める例があり(多治見市市政基本条例41条2項)、議論の余地もある一方で、国の法令については、その解釈・運用に当たって、自治基本条例の趣旨が生かされるべきとしている例はある(同条例41条3項)が、自治基本条例に反する場合に、当該法令を無効とすることは一般的ではない。(政策法務テキスト220~221,224~225頁)