2021.03.10 議会運営
第76回 物品の無償譲渡について/新型コロナウイルスに係る本会議の傍聴拒否
明治大学政治経済学部講師/株式会社地方議会総合研究所代表取締役 廣瀬和彦
物品の無償譲渡について
感染症予防の一環として、令和2年度一般会計の消耗品費でフェイスマスクを購入し、市内小中学生全員に配布することとしたが、令和2年度既決予算では予算が不足するため、補正予算又は予備費充用により予算を確保する必要があった。しかし、補正予算を待っていたのでは事業実施が遅れることから、予備費充用により予算を確保し事業を実施した。
事業実施後、議員より「補正予算によらず、予備費充用により事業を行ったことは、公益上の必要について議会の議決を受けていない違法な物品の無償譲渡である。また、予備費の充用も、当初予算に計上されていない予算外の事業に充用することはできないし、違法な無償譲渡のための予算として予備費を充用することもできない」と指摘された。
ここで、消耗品費で購入した物品を配布することは「物品の無償譲渡」に当たり、議会の議決が必要であるのか。
なお、当該議員は、地方公共団体が寄附又は補助をする場合においては「公益上必要がある」ことを誰かが認定することが必要であり、この認定は、第一次的には長が、第二次的には予算の編成を決定する権限を有する議会が判断することとなり、したがって公益上必要かどうかを一応認定するのは長及び議会であり、よって議会の議決も必要であるとの指摘をしている。
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