フューチャー・デザイン:「今」の世代と「将来」の世代の幸せのために
総合地球環境学研究所・高知工科大学フューチャー・デザイン研究所 西條辰義
フューチャー・デザインのバックグラウンド
少子高齢化、社会インフラの老朽化などが進行する一方、公的な財政も逼迫(ひっぱく)し、将来、私たちは従来のようなサービスを受けることができなくなるかもしれません。そのため、市民の皆さんと行政が対立することもあるでしょう。市町村の合併のため、例えば同じ地域に複数のスポーツ施設や福祉施設があるとしても、そのうちいくつかを畳むことは容易ではありません。新たな施設などもってのほかです。さらには、近隣の市町村と施設などの集約化を目指しても、なかなか合意には至らないのが常です。
日本発の「フューチャー・デザイン(以下「FD」という)」という新たな研究分野で分かってきたことは、「今」から「将来」に向けての議論では、どうも「今」に足が絡んでしまい、参加者の皆さんの思いの向きが異なるため、問題の解決に向けたアイデアが出にくいことです。一方で、参加者の皆さんが「将来」に飛び、そこでの社会を描き、そこから「今」何をすべきかを考えると、独創的なアイデアを提案し始めるのです。加えて、将来に飛んだ「仮想将来人」は、「今」と「将来」の両方を高い位置から鳥瞰(ちょうかん)するようになり、皆さんの間での対立が起こりにくいことも分かっています。
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