2021.02.10 議員活動
第5回 選択肢作成と議会
結び
選択肢作成では社会の現状と将来を分析し、その分析結果を最終的な選択肢作成(政策案の設計)に活用できるかが課題解決の鍵となってくる。分析結果を生かした選択肢の中から生まれた政策案について、議会は政策案(議案)の妥当性を判断することになる。人々は政策手段や求めるべき規範・価値について異なる見解を持ちうる。そのような中で、議員も多様な政策手段の模索や求めるべき規範・価値についての再定義を行いながら、議員間、対市民、対行政、等との議論・交渉をすることが求められている。そのような活動をすることによって地域の課題解決に向けた思考も、広範で深淵(しんえん)かつ堅硬で柔軟なものになっていくであろう。そのことは、緊急かつ重要な事態(=危機)を超克する議会にもつながる。
(1) 日本では2018年5月、「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」(平成30年法律28号)が公布・施行された。同法では、地方議会の議員選挙においても、男女の候補者の数ができる限り均等となることを目指すことが基本原則の一つとして掲げられている。
(2) 大規模な財政支出を伴う公共施設整備事業の例としては、ハコモノや鉄道が挙げられる。
■参考文献
◇秋吉貴雄(2017)『入門 公共政策学』中央公論新社
◇礒崎初仁(2018)『自治体政策法務講義〈改訂版〉』第一法規
◇伊藤修一郎(2015)「公共政策の評価」秋吉貴雄=伊藤修一郎=北山俊哉『公共政策学の基礎〈新版〉』有斐閣、230~250頁
◇北山俊哉(2015)「規範的判断」秋吉貴雄=伊藤修一郎=北山俊哉『公共政策学の基礎〈新版〉』有斐閣、103~125頁
◇国土交通省道路局都市局(2018)「費用便益分析マニュアル」
◇佐野亘(2018)「手段」石橋章市朗=佐野亘=土山希美枝=南島和久『公共政策学』ミネルヴァ書房、237~260頁