2021.01.15 議員活動
第4回 課題抽出と議会
結び
議員は、多忙な中で議会活動を議会事務局職員の協力のもと行っている。そこでは、地域の課題抽出が求められる。様々な調査、分析を議会自ら行うことになる。場合によっては委託することもある。課題をアジェンダの上位に押し上げることにつながる要因を見逃さない日々の学習とアジェンダ設定の見直しが必要になる。強い印象を与える言説を発しながらリフレーミングによる合意形成を目指すことも求められる。これらのことは、「多元マルチ型連鎖による『政策の再革新』の常態化」につながる。「政策の再革新」の常態化は、様々な「試行錯誤」を前提とする。二元代表制のもと市民の信託に応える自治体議会には、この「試行錯誤」を前提とする「政策の再革新」の常態化を目指すことが期待されている。
(1) 土山 2019:59-75には、一般質問をパワーアップするための「情報を集める」方法について、具体的な記述がある。
■参考文献
◇秋吉貴雄(2017)『入門 公共政策学』中公新書
◇秋吉貴雄(2015)「政策問題の構造化」秋吉貴雄=伊藤修一郎=北山俊哉『公共政策学の基礎〈新版〉』有斐閣、67~84頁
◇石橋章市朗(2018)「形成」石橋章市朗=佐野亘=土山希美枝=南島和久『公共政策学』ミネルヴァ書房、115~137頁
◇伊藤修一郎(2002)『自治体政策過程の動態―政策イノベーションと波及』慶應義塾大学出版会
◇伊藤修一郎(2015a)「アジェンダ設定」秋吉貴雄=伊藤修一郎=北山俊哉『公共政策学の基礎〈新版〉』有斐閣、49~66頁
◇伊藤修一郎(2015b)「公共政策管理のシステム」秋吉貴雄=伊藤修一郎=北山俊哉『公共政策学の基礎〈新版〉』有斐閣、251~268頁
◇土山希美枝(2019)『質問力で高める議員力・議会力』中央文化社
◇村田和代(2011)「議論のプロセスをファシリテートする」土山希美枝=村田和代=深尾昌峰『対話と議論で〈つなぎ・ひきだす〉ファシリテート能力育成ハンドブック』公人の友社、27~41頁
◇深尾昌峰(2011)「協働型ディスカッションのファシリテーターとは」土山希美枝=村田和代=深尾昌峰『対話と議論で〈つなぎ・ひきだす〉ファシリテート能力育成ハンドブック』公人の友社、83~106頁