2021.01.15 議員活動
第4回 課題抽出と議会
7 問題構造の分析
問題を形成する要因と要因間の関連性のことを問題の構造と言い表すことができる。問題を形成する要因を把握する方法には、階層化分析(ロジックツリー)、ブレーンストーミング、KJ法などがある。要因間の関連性を把握する方法には、因果関係(要因間の関連性)分析がある。
(1)階層化分析(ロジックツリー)
図3は、階層化分析の例であるが、「ダブリなく」、「モレなく」がポイントである。特に、「モレ」はダブリよりも見落とす可能性が高く慎重な検討が必要である。
(2)「ブレーンストーミング」、「KJ法」と「参照」、「総合計画によるチェック」の組合せ
ブレーンストーミングでは問題解決に向けて互いにアイデアを出し合い、KJ法はブレーンストーミングで出された情報を整理する。ブレーンストーミングとKJ法の手順は次のようなものである。
「批判をしない」、「自由奔放に意見を述べる」、「できるだけ多くのアイデアを出す」、「アイデアを結合する(発展させる)」という四つの原則でブレーンストーミングが進められる。次に、議論で出された要因の中で、関連性のある要因をグループとしてまとめていく。個別要因や要因グループの関連性が図示され(可視化され)、見落とされていた要因が追加されることもある。このような手順を効率的に行うには、図4に示すようにブレーンストーミングとKJ法のほかに、参照と総合計画によるチェックを組み合わせて行うことが有益である。そして、図4に示した手順は、複数回行うことにより効果を発揮する。
ここでいう参照とは、他の自治体への相互参照のほかに、自らの自治体における業務を参照することが含まれる。例えば、ある計画の策定に当たり、これまで各種計画の策定においてどのような市民参加を行ったかを参照することである。そして、ある計画の策定に当たり最もふさわしいと思われる市民参加を検討することである。総合計画によるチェックとは、自らの自治体における政策体系の中に当該政策の必要性を確認することである。このことは、ポリシーミックス(政策の相乗効果を目指し複数の政策を組み合わせて実施すること)を検討することにもつながる。
なお、ファシリテーションにおけるグランドルールを定め、ファシリテーションの際に、このグランドルールを参加者から見えるところに貼り共有する例も見られる(図5参照)。