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特集 介護とICT

2020.12.25 ICT活用・DX

介護のICT化におけるメリットと導入事例

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5 血液1滴の検査で在宅ケアの質を高める

 在宅ケアにも、最先端技術が使われるようになっています。ベンチャー企業Qlife社では、血液1滴で様々な検査が家庭で可能となる「EGOO」を開発しています。例えば、リウマチは高齢女性に多い疾患ですが、リウマチ患者は、病院で炎症反応を見るCRPの血液検査を定期的に行っています。しかし、在宅で検査を行い、その検査結果が遠隔にいる医師にデータとして送信されることで、薬の量を増やしたり、来院を指示したりすることをタイムリーに行うことが可能になります。
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 検査試薬はカプセル化されているので、カプセルを変えれば、ヘモグロビンや肝機能などの検査も行うことができます。在宅での血液検査により、慢性疾患を持つ人々の通院負担も軽減され、QOL向上に大きく貢献するだけでなく、医療保険財政へのインパクトも大きいと予想されています。

6 多職種連携で悪化予兆を早期発見

 在宅ケアでは、医師、看護師、介護士、理学療法士、行政職員など多くの専門職が関わりを持ちます。自宅に住む高齢者の健康を維持し、疾患の兆候、身体機能障害、栄養失調を早期に検出することで、突然の入院や深刻な状態になることを回避することにICTを活用する例も出てきています。
 Symmetric社の「Tidlig Opsporing Plus(Eearly Detection Plus)」(以下「TO+」といいます)は、市町村Kommuneの業務システムに連動して動くシステムです。看護師などの専門職が、自宅に、TO+のアプリがインストールされたタブレットを持って訪問し、その場で血圧などのデータを入力したり、前回訪問時にできていたことができていないといった情報を入力します。入力されたデータは、関係者間で共有することができ、簡単にグラフ化して状態変化や集計データを閲覧することも可能です。多職種による検討会議では、これらのデータをプロジェクターで投影し、そのデータを確認しながら、回復につながるケアを検討するということも行われており、コミュニケーションを促進させています。
 TO+では、データをAI分析し、赤、黄、緑の3色で、その高齢者に対する再入院リスクを表示するトリアージ機能を提供しています。赤色は、複数の指標で変化があり、早期に対応する必要があることを示し、経験の浅い介護者でも緊急性の高いことに気づけるようになっています。アラートに基づいた早期対応により、高齢者の不必要な入院の防止につなげています。
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