2020.12.10 議員活動
第3回 情報共有・市民参加と議会
4 審議会に見る情報共有・市民参加の課題
今日では、ワークショップやパブリックコメント手続など、様々な情報共有・市民参加の手法が行われている。
ここでは審議会を例にとり、情報共有・市民参加の課題を考えてみたい。審議会には、表2に示した情報共有・市民参加の課題がある。ここに示した課題は、他の多くの情報共有・市民参加の手法にも当てはまる。議会が実施する情報共有・市民参加の手法にも当てはまるであろう。
5 情報共有と共有可能な情報の必要条件
自治体政府は、市民をはじめ他者との情報共有なくして、市民の信託に応えることはできない。民主主義は、納得のプロセスでもあり、情報共有なくして市民の納得を得ることはできない。情報共有は、市民参加の前提となる。情報共有なくして適切な市民参加は難しい。環境変化により新たに生ずる課題や政治的争点を知ることなしに、市民が適切な判断の下に参加を行うことは容易でない。
公共政策を担う主体は、市民、市場、政府と多様なセクター(部門)にあり、各セクターも地域、国、国際レベルで捉えることが必要となる。このことは、「分節」主体としても知られている。このため、自治体政府の所有する情報を市民や国が共有するだけでなく、市民や企業や政府(自治体・国・国際機構)が他の市民や企業の取り組む公共政策について情報共有することも大切である。各主体が適正な公共政策を実施するためには、多様な主体間での情報共有が求められる。そして、共有される情報には、表3に示した共有可能な情報の必要条件を備えていることが肝要である。情報の受け手が持つ、既存情報、理解度、時間、立場は様々だからである。