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2020.11.25 議員活動

第7回 災害廃棄物の処理とハード施設の復旧

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まとめ(議員としての着眼点はここだ!)

 第7回では、災害からの復興過程において、最初に着手すべき災害廃棄物処理とその後のハード施設の復旧を中心に学びました。ここでは、以下の3点について着眼点として指摘したいと思います。

1 平時から災害廃棄物への備えをチェックすることが大切!
 近年の巨大台風等による風水害の事例などを見ると、発災後数日経過した被災地で道路の両脇に被災住家から災害廃棄物として排出された家財道具や畳などがうず高く積まれた光景をニュース映像などで目にします。そのような映像を見るたびに、早期の災害廃棄物の撤去を求める気持ちになります。また、実際にニュースでも、そのようなコメントが流されます。
 このように災害廃棄物の撤去の遅れは、心理的にも、物理的にも、地域の復興の遅れにつながります。災害廃棄物の撤去を速やかに行うためには、仮置場と運搬手段の平時からの確保がポイントになります。仮置場の確保等については、自治体が「災害廃棄物処理計画」を事前に策定し、適切に運用できるような体制を整えておくことが大切です。しかし、災害廃棄物処理計画の策定状況(2019年度末現在)は、環境省の資料(6)では都道府県で46団体(98%)、市町村で903団体(52%)となっています。一般廃棄物としての災害廃棄物の処理主体としての市町村の策定率が6割にも達していない状況で、特に人口3万人未満の自治体では50%、1万人未満では34%となっており、中小自治体での策定が進んでいない状況です。
 地域の迅速な復旧・復興を進めるためにも、災害廃棄物への事前の準備が求められます。

2 「多重防災型」まちづくりへの住民参加はどうか
 東日本大震災の事例のみならず、毎年のように自然災害が全国各地で発生していることを考えると、どこの場所に住んでいても私たちは災害と隣り合わせの生活をしているといえます。
 しかも、いずれの災害でも既存の堤防や防潮堤などのハード施設だけでは、住民の生命・財産を守ることはできず、ソフト面の施策と連携した複合的な取組みが不可欠となっています。そうした考え方に立脚しているのが、「減災」の考え方や「多重防災型」のまちづくり思想です。
 このような考え方に基づき、自治体では、地域防災のための組織づくりや防災教育を進めています。しかし、根本的な「多重防災型」のまちづくりの部分への住民参加はどうでしょうか。東日本大震災のような巨大災害が発生し、まちを一からつくり直す際には、住民の意見を求めたりすることは行われていますが、既存のまちのまちづくりにおける「防災視点」での住民参加はどうでしょうか。今や防災はまちづくりのあらゆる側面での考慮要素といってよいと思います。様々なまちづくりへの住民参加において防災視点の導入が、より一層求められます。
 

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