2020.11.25 議員活動
第7回 災害廃棄物の処理とハード施設の復旧
3 災害廃棄物処理の法的仕組みと支援
災害廃棄物は、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(以下「廃棄物処理法」という)上の明確な位置付けはなく、法的には一般廃棄物に該当し、市町村や一般廃棄物を処理するための一部事務組合などが処理することとされています。
自治体が災害廃棄物を処理する場合の財政支援については、環境省の国庫補助制度(災害等廃棄物処理事業費補助金)があり、通常災害の場合は、処理経費の半分が補助され、残りの半分についても返済に対する地方交付税が措置された起債が認められ、実質的に全体処理経費の1割程度の負担となります。また、激甚災害に指定された場合には、実質負担がさらに軽減されます。
大規模災害時には、住家等の建物が被災して使用できなくなり、解体せざるをえない場合があります。その場合、解体した廃材の処理と解体費の負担が大きな問題になることがあります。東日本大震災や熊本地震などでは、半壊以上の建物の解体については国による公費負担が行われましたが、通常の風水害による被災では公費負担の対象となっていない場合もあります。国の支援がない場合は、住民が居住する住家の解体については自治体等が支援するケースが多いようです。解体費に対する公費負担のルール化が求められます。このほか、マンパワーについては、大規模災害の場合には、他自治体から専門の職員が派遣されるなどの支援が行われています。