2020.11.25 議員活動
第7回 災害廃棄物の処理とハード施設の復旧
2 災害廃棄物を優先して撤去する必要性
被災自治体は、なぜ優先して災害廃棄物の撤去に取り組むのでしょうか。東日本大震災による津波、近年の台風や豪雨による洪水災害や土砂災害などの被災地の被災直後の様子を見ると、街中が土砂や廃棄物で覆われ、車や重機が自由に通行できない状況となっています。
また、災害の危険がなくなり、被災者が住家の片付けを始めると、被災した住家からおびただしい量の使用できなくなった家財道具や畳、建具などの廃材が排出され、道路が埋め尽くされた状態となります。
災害廃棄物が放置された状態が長く続くことは、復旧・復興の妨げとなるだけでなく、悪臭やそ族・害虫などが発生し、衛生面からも問題です。また、被災地の住民の「こころの健康」の側面からも、目に見える場所に災害廃棄物があることが、災害の記憶を想起させ、心理的な負担の要因にもなります。そのため、災害廃棄物の処理は、迅速かつ適正に行うことが求められます。災害廃棄物の量が多量で全量の処理がすぐには難しい場合、自治体は、まず住民の生活環境や地域の復旧・復興に支障が生じないようにすることが大切です。
このようなことから、大規模災害の被災自治体が、復旧・復興に向けて最初に取り組むべき課題として災害廃棄物の処理が挙げられます。